Music Life 1995.1
Donnie VieとChip Z’nuffの全アルバム解説
カラー2ページ
『Enuff Z’nuff』
チップ:ファースト・アルバムに収録されてる曲は’86年から’89年の間に書かれたものなんだ。書き溜めてあった60曲ほどの中から、アトコ・レコードの社長だったデレク・シュルマンが10曲を選んだ。チップ:アルバムをリリースした後は、いろんなバンドの前座としてアメリカ中を回った。何ヵ月もね。MTVのサポートもあってアルバムの売れ行きもよかったし、とても楽しかったよ。特にMr.Bigとのツアーは最高だった。 ほとんどソールド・アウトでね。物凄くエキサイティングだった。
『Strength』
チップ:レコーディングを始めた頃は、ちょうど例のロサンゼルス暴動の真最中でね。スタジオも一時期クローズしてしまって、しばらく中断せざるを得なくなってしまったんだ。でも、おかげでその間に素晴らしい曲を書くことができた。「Strength」、「Heaven Or Hell」、「Holly Wood Ya」、「The Way Home/Coming Home」なんかがそうさ。
『Animals With Human Intelligence』
ドニー:(アリスタレコードとの契約について)50万ドルの契約だったんだぜ。奴らは俺たちイナフズナフをメイン・ストリームのヒット・バンドに仕立てるつもりだったんだぜ。とんだ無駄使いだったよな。
『1985』
チップ:そもそものきっかけは、コンピレーション・アルバム用に曲を提供してくれと言われたことなんだ。それにOKしたら今度は、……アルバムも出さないかってことになったんだよ。しかも、ライナーノーツはハワード・スタンが書いてくれることになった。ハワードは、アメリカでは超有名なラジオのパーソナリティで特にロック・ファンからの信頼は絶大なんだ。そんな彼が、ずーっと前からイナフズナフを気に入って応援してくれていたんだぜ。
『Brothers』
ドニー:俺達は以前から、イナフズナフが持っているソフトでポップな面と、ヘヴィな面を別々に出したいと思っていたんだ。このアルバムにはポジティヴでハッピーで、みんなが一緒に口ずさめるようなポップな曲を集めた。ヴァイオリンやホーンをフィーチュアしてね。デレクが抜けた後、俺はもう何もかもを棚上げにして、とにかく新しいことをやりたかったんだ。
『Tweaked』
チップ:このアルバムは一種のコンセプト・アルバムでドラッグ中毒と、そこから抜け出すことの地獄、引き裂かれた人間関係、そして仲間意識などがテーマになってる。物凄くリアルな作品だ。ここ数年は正直言ってお先真っ暗の状態だったからね。レコードディールはないし、バンドのドラッグ問題は深刻だし、辛くて苦しくて、まるで出口が見えないって感じだったよ。
今回はこの号のみ。
次の”Music Life その6”でMusic Life編は終了します。