ドニーヴィー、アルバムカバーについて語る

Donnie Vie Enuff Z'nuff (w/ DV)

”レコーディングアーチスト”ドニーヴィーの新しい知らせがなかなか伝わってきませんので、過去のインタビューから気になったものをピックアップ。
インタビューは2本あります。

Ep 401 Artist & the Albums RATT, MR BIG, Kings X & Enuff Z’Nuff tell their stories behind the music.(2023)


1つ目、この動画は2023年のもの。イナフズナフのアルバムジャケットについて語っております。
決して評判が良いとは言えないジャケットデザインが多いのですが、当の本人がそのことについて話しております。

Ep 401 Artist & the Albums RATT, MR BIG, Kings X & Enuff Z'Nuff tell their stories behind the music.

Donnie Vie explains Enuff Z Nuffs album covers(2022)

こちらもアルバムカバーに言及したインタビューになっています。2022年。

Donnie Vie explains Enuff Z Nuffs album covers

アルバムカバーデザインについて

以下2本のインタビューからまとめてみました。カバーについては基本的に海外盤について話していると思うので見出しのアルバム発表年はアメリカでの年になります。ややこしい。

Enuff Z’nuff(1989)

「最初のアルバムカバーは良かったよね。シンプルだけど、ちゃんとまとまってる」というインタビュアーに同意している模様。

Strength(1991)

『Strength』というアルバムカバー、あれは誰が考えたんですか?
レーベルですね。初めて見たとき、でっかい裸の男がカバーに載ってるって感じで、ちょっと驚きました。でも、ニューヨークのAtlantic、Atco Atlanticのビルに入ると、ロビーにそれがドーンとあって、ピースサインになってるんです。

元デザインらしい。以前オークションで出ていましたがあまりの高額に手が出ず。落札されたんだろうか?

タイトルの由来: レーベルが決定。バンドは関与せず。
カバー: 大きな裸の男が描かれたデザイン。ニューヨークのAtlantic/Atco Atlanticビルのロビーに展示されている像(地球を持っているがピースサインに変更)を基にしている。
バンドの関与: カバーとタイトルともにレーベルの主導。初めてみたときには「なんだこれ!」と驚き違和感を感じたが、印象的で悪くないという認識のよう。この像を実際に見たことで、カバーの起源を理解し、驚きが多少和らいだ様子が伺えます。
2本のインタビューでほぼ同じ説明になっております。

インタビューの中で、”ニューヨークのアトランティック・アトコ・ビルに入るとロビーにそれがあって世界を掴んでいるのが見えるんだけど、彼らはそれをピースサインにしました”ってあるんだけど、画像見当たらず。そもそもアトランティック・アトコ・ビルってのが見つからない。ニューヨークのロックフェラーセンターには下のような像がありますがこれのこと?

こちらはロックフェラーセンタービルにあるものなので元ネタではないかもしれませんが、アルバムカバーのデザインによく似てますね。

Animals with Human Intelligence(1993)

あのタイトルには僕らは一切関わってないんです。全部レーベルが決めました。確かにいいタイトルだよね。僕らをうまく表してるって感じかな? いや、よくわからないけど、面白いタイトルだと思ったんだ。
タイトルに関してはレーベルが決めたけど、僕らも自分たちのやり方を知ってたから、それ以外に関してはわりと自由にやらせてくれたんだ。でも、見た目とかそういう部分での悪い判断や選択は、僕らの経験不足や、当時のマネジメントチームがグチャグチャだったせいだね。訴訟とか色々あってさ。だから、基本的には自分たちで決めてたって感じ。

カバーは…分からない。いろんな人が関わってた。僕、いつもちゃんと頭で考えてそこにいるとは限らなかったんだよね。で、チップがビジネスの部分をかなりやってて。チップとの一番の問題は、彼が決めたことに僕がめっちゃ反対でも、決定が固まっちゃってから知らされること。レコード持ってる時にはもう遅いんだよね。

タイトルの由来: レーベルが決定。バンドは一切関与せず。
カバー: 具体的なカバーの詳細は両インタビューで言及なし。
バンドの関与: タイトルもカバーもレーベルの主導。ドニーは決定プロセスに関与せず?
感想: インタビュアーが「最高のタイトル」と称賛し、バンドを象徴すると評価。ドニーは「面白いタイトル」「僕らを表してるかも」と認めつつ、自分たちで考えたものではないことを強調。両インタビューでほぼ同じコメント。

1985(1994)

タイトルの由来: 年号に基づくシンプルなタイトル。ドニーは「自分が考えたわけではないかもしれない」と曖昧。
カバー: 具体的なカバーの詳細は両インタビューで言及なし。
バンドの関与: タイトルはおそらくバンド主導だが、詳細不明。カバーの決定プロセスも不明。
感想: タイトルは「簡単」とされるが、カバーについての言及なし。両インタビューで情報量が少なく、ほぼ同じ内容。

Tweaked(1995)

タイトルの由来: 具体的な由来は不明だが、メジャーレーベル離脱後なのでドニーが関与した可能性が高い。
カバー: 具体的なカバーの詳細は両インタビューで言及なし。
バンドの関与: タイトルはドニーが主導した可能性。カバーの決定プロセスは不明。
感想: タイトルについてのみ言及され、カバーについては触れられず。両インタビューで情報が少なく、ほぼ同じ。

この写真のデザイン結構好きなんだけど、ほぼ言及なし。

Peachfuzz(1996)

赤ん坊のようでレコードにならなかった曲がごちゃ混ぜのアルバムだった。

タイトルの由来: ドニーが提案。バンドがまだ「赤ちゃんのよう」だった時期を反映し、未熟さや曲の寄せ集めを表現。
カバー: 単なるオレンジ色のシンプルなカバー。特徴やアート性はほぼない。
バンドの関与: タイトルはドニーが考えたが、カバーはレーベルやチップ(ビジネス担当)が決定。ドニーのアイデア(ヴァン・ヘイレン風に2~3歳の子供がサングラス、警官の帽子、タバコをくわえた姿で登場)は無視された。
感想: ドニーはカバーに強い不満を持ち、期待外れと批判。インタビュアーは「クリエイティブなバンドなのにカバーがタイトルと連動していない」と指摘。両インタビューでカバーの失望感が強調されています。

そりゃそうだわな。一応酷いという認識はあるのね。国内盤も同様に酷い。中身の音楽は最高。

Seven(1997)

タイトルの由来: 7枚目のアルバムであることからシンプルに命名。ドニーが関与した可能性が高い。
カバーの詳細は両インタビューで言及なし。
バンドの関与: タイトルはバンド主導(おそらくドニー)。カバーの決定プロセスは不明。
感想: タイトルは「簡単で分かりやすい」とドニーが述べるが、カバーについては触れられず。両インタビューで同じ説明。

できればチップアンドドニー『ブラザーズ』のデザインについても聞いて欲しかったところ。あちらでは出てないからしょうがないか。

Paraphernalia(1999)

タイトルの由来: 具体的な由来は不明だが、メジャーレーベル離脱後なのでドニーが関与した可能性が高い。
カバー: 雑誌の表紙のようなデザイン。『Night at the Opera』や70年代の『Rolling Stone』『Vogue』を思わせる洗練された雰囲気。
バンドの関与: タイトルはドニーが主導した可能性。カバーはチップやレーベルの影響を受けた可能性があるが、詳細不明。
感想: ドニーは「悪くない」と評価し、インタビュアーも「クリーンで良い雰囲気」と肯定的。両インタビューでカバーの評価が一致し、比較的高評価。

10(2000)

触れていないんじゃないかな。触れようがないか。

Welcome to Blue Island(2003)

タイトルは僕が考えても、次に知るのは誰かのアートワークが勝手に使われたアルバムになってるって感じ。で、ぶっちゃけ、どのアルバムカバーも嫌いだった。
『Welcome to Blue Island』は、ブルーアイランドの荒廃した雰囲気を持つ場所から入ると「Welcome to Blue Island」って看板があって、50個くらい銃弾の穴が空いてるの。それをカバーにしたら最高だと思ったのに、なんかカートゥーンみたいなチップの絵になってて、もうわけわかんないよ。

タイトルの由来: ドニーが提案。ブルーアイランドの荒廃した雰囲気を持つ場所にある、銃弾の穴だらけの「Welcome to Blue Island」の看板をイメージ。
カバー: カートゥーン風のチップの絵。ドニーは期待外れと感じ、嫌いだと批判。
バンドの関与: タイトルはドニーが考えたが、カバーはチップや他の関係者が決定。ドニーのアイデア(銃弾穴の看板)は無視された。
感想: ドニーはカバーに強い不満を持ち、「わけわかんないよ」とお手上げ状態。インタビュアーはタイトルとカバーの不一致を指摘。

両インタビューでカバーの失望感が強調されています。それにしてもこの絵ってチップを描いたものなの?

?(2004)

言及なし。
雑誌なんかではこのアルバムに関してドニーは一切関わっていないって言ってるしね。

Dissonance(2011)

タイトルの由来: 具体的な由来は不明だが、メジャーレーベル離脱後なのでドニーが関与した可能性が高い。
カバー: 具体的なカバーの詳細は両インタビューで言及なし。
バンドの関与: タイトルはドニーが主導した可能性。カバーの決定プロセスは不明。
感想: ドニーはタイトルを「良かった」と評価し、カバーとアートがもっと連動していればさらに良かったと述べています。

Beautiful Things(2019)

人生で初めて、たぶん唯一、自分のビジョンをちゃんと実現できる時期だよ。

(1本目のインタビューでのみ言及)

タイトルの由来: ドニーが提案。具体的な背景は不明だが、クリエイティブな意図を反映。
カバー: ファンを使ったアートワークを採用。ドニーのビジョンに基づく。
バンドの関与: タイトルとカバーともにドニーが主導。チーム(マネジメントや姉)と相談しつつ、最終決定権を持つ。
感想: ドニーは「まさにやりたかったこと」「最高」と大満足。初めて自分のクリエイティブなビジョンを完全に実現できたと強調。

まとめ

ドニーは基本的にバンド時代のアルバムカバーには納得いっていなく、全国的なバンドとしては史上最悪とまで言っています。その中で比較的好印象なのはアルバム『Strength』『Paraphernalia』あたり。ソロになっての最新作『Beautiful Things』は思い通りという満足感が伺えます。

チップの関連インタビューはないのかな?

タイトルとURLをコピーしました